OSM のケーブル接続
DMD が発生すると、ケーブルを通過する単一パルスの孤立性が損なわれ、極端な場合には、2 つの 独立したパルスが生じることがあります。連鎖パルスは相互に干渉しやすいので、信頼できる方法 でデータを回復するのが困難になります。
DMD は、敷設されたすべての光ファイバ ケーブル上で発生するわけではありません。光ファイバ とトランシーバの組み合わせが悪い場合に発生します。ギガビット イーサネットは、ボーレートが 非常に高く、MMF ケーブルの距離が長いため、DMD が問題になります。SMF ケーブルおよび銅 ケーブルでは、DMD の問題は起きません。
MMF ケーブルのテストは、LED 光源を使用した場合に限定して行われてきました。LED は、光 ファイバ ケーブル内に「オーバーフィルド ラウンチ コンディション」と呼ばれる状態を作ります。 オーバーフィルド ラウンチ コンディションは、LED トランスミッタが光ファイバ ケーブル内に、 広範囲のモードに拡散した光を入射する状態を意味します。暗い室内で電球を照らしたときのよう に、光がさまざまな方向に拡散してケーブル内を満たし、多数のモードが発生します(図25 を参照)。
図 25 LED とレーザー光による光路の違い
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レーザーから入射される光は、LED よりも集束された状態で発光します。レーザー トランスミッ タからの光は、光ファイバ ケーブル内に存在するモード(すなわち光路)のうち、ごく少数のモー ドだけを通過します(図 25 を参照)。
DMD の問題を解決するには、光源(トランスミッタ)から入射されたレーザー光が、LED 光源か らケーブル内に入射されたときのように、光ファイバ ケーブルの直径に対して均等に分散されるよ うに調整する必要があります。光のモードをスクランブルすると、光パワーがすべてのモードに均 等に分散され、光パワーが少数のモードだけに集中する状況を回避できます。
これに対して未調整の入射状態では、最悪の場合、光ファイバ ケーブルの中心にすべての光が集中 し、均等に励振されるモードはごく少数になります。
DMD の発生する度合いは、MMF ケーブルごとに大きく異なります。敷設されたケーブル設備で は、DMD の影響を評価する有効なテスト方法はありません。
オプティカル サービス モジュール インストレーション ノート
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