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EQ/Kills(EQ/キル)
シグナル・チェイン内で次に来るのは、Equalizer(イコライザー)でこれはEQと略します。ゲイン・ノブ(一番上)は、チャンネルの オーディオ・シグナル全体のレベルを上下させますが、EQはオーディオ・シグナル中の特定の周波数帯域のレベルのみを上下させます。 Torq LEは、3バンドEQが装備されこれによりHigh(高周波)、Mid(中周波)、Low(低周波)の3つの周波数帯域のレベルをそれぞ れコントロールできます。
各ミキサーチャンネルでは、3バンドEQが縦に並び、それぞれにノブとボタンが装備されています。一番上がHi EQ(高周波EQ)、その 下がMid EQ(中周波EQ)、一番下がLow EQ(低周波EQ)です。各ノブの隣の「X」ボタンは「Kill」(無効)ボタンです。「X」ボタ ンを有効にすると、関連する周波数帯域がオーディオから完全に取り除かれるため、Xボタンを3つとも全て有効にするとオーディオ・シグ ナルは完全にミュートされます。
EQは、DJミキサーにおいて最もパワフルなツールです(DJの中にはクロスフェーダが究極の武器だと言う人もいます)。EQを使用する目 的は(1)録音状態や制作状態の悪いソングのサウンドの質を改善する(2)2つのソングの全体の周波数のコンテンツをマッチングさせる (3)周波数帯域を1つ以上選択して取り除いたり分離させたりして音楽を強調する(4)2つのソングを同時に演奏しながら周波数帯域をジ グソーパズルのように取り替えながらソングをミックスするというこの4点です。
古いソングは、一般的に最近のトラックのようには余り低音の効果がありません。Torq LEでは、Low EQ(低周波EQ)を使用して古いソ ングの低音(低周波数帯域)をブーストして最近のソングの大きい低音にマッチングさせることができます。この機能を使用しないと最近の ソングから古いソングへミックスすると音楽が静かになったように聞こえます。
同様に、同じ年に録音されたトラックでも音量を同じにして演奏してもそれぞれ違ったボリュームに聞こえることがあります。これは通常、片 方のソングの中周波帯域がもう一方よりも強い場合に起こります。2つのソングで低音の音量が同じくらいならMid EQ(中周波EQ)を使用 して音が大きい方のソングを静かな方のソングに調和するようEQを下げることができます。
DJは、演奏するソングに独自の操作を加えてセット中にミックスする場合があります。例えばDJは、ソングのコーラスが始まる2、3ビー ト前に高周波数帯域と低周波数帯域をカットしコーラスが始まった瞬間に両方の周波数帯域を戻す場合があります(Torq LEではHighと LowのKill(無効)ボタンである「X」ボタンを使用すれば完璧です)。
2つのソングが同時に演奏されていれば、音楽は濁ったように聞こえることがしばしば起こります。これは通常、2つのソングの低音部分が 「補足的でない」ためです。つまり、2つのソングのキーが異なる場合や、両方のソングに長くサスティーンする低音のノートがある場合を 指します。濁りを解消するには、片方のソングのLowの「X」ボタンを使用して低音部分を取り除くことができます。もう一方のソングの低 音は、ミックスに残るため自然な感じに聞こえます。準備ができたら両方のLowの「X」ボタンを同時に押します。これにより、もう一方の 方の低音が取り除かれ最初に低音を取り除いた方の低音が戻ります。全体のミックスの低音部分が変化したように聞こえミックスは完全なサ ウンドのままです。他の周波数帯域においても同様に周波数のスワッピング(交換)をすることができます。スワッピングが突然起こったよう に聞こえなくするには「X」ボタンの代わりにEQノブを使用します。
注意:Torq
PFL/Headphone Cue(PFL/ヘッドフォン・キュー)
オーディオ・シグナルがEQから出ると2種類の場所に送信されます。1つはPFLボタンで、これはヘッドフォンの型のアイコンです。
DJがソングをオーディエンスに聞かせる前に次の曲を聴くために使用するのがこの方法です。PFLボタンを押すとそのチャンネルは以下に説 明する通りPFLセクションに送信されます。ヘッドフォンで音楽を聴くことができ更にSampler(サンプラー)に録音することもできます。
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