Chapter 4:

36Bit DSP の仕様

はじめに

PCI カードには、36Bit Digital Signal ProcessorDSP)が 搭載されています。DELTA Audiophile 2496 は、CPU ベー スに最適化されたレコーディングシステムですが、CPU ベースでのオペレーションでは当然 CPU パワーに依存 するために、プロセッサによっては処理が間に合わない 現象に直面することが多々あります。本来 CPU に処理 を任せる部分を DSP によって処理をするため、CPU へ の負荷の軽減や CPU ベースでは得られないレスポンス とレコーディングにおいて柔軟な環境を得ることが可能 になります。

36Bit DSP の概念

36Bit DSP は、ハードウェアミキサーに匹敵する ゼロ レイテンシーモニタリングリアルタイムミキシン グと、高度な柔軟性を備えた デジタルパッチベイ内部パッチ機能を 36Bit DSP の処理で行います。36Bit DSP を把握することで DELTA Audiophile 2496 に装備さ れた機能全てを効率良く的確に使用できます。

ゼロレイテンシーモニタリング

一般的なアプリケーションには、レコーディングする ソースをダイレクトに DELTA Audiophile 2496 のような オーディオシステムへ返して小さいレイテンシーでモニ ターすることを可能にする ダイレクトモニタリング機 能が用意されていますが、これらの処理はソフトウェ アによって処理されるために、若干のレイテンシーを含 んでいます。レイテンシーを含んだソースをモニターし ながら演奏を行うと、微妙なタイミングのずれが生じた ままレコーディングされてしまいます。

レイテンシーを含んだモニタリングの問題を回避するた

めには、36Bit DSP でのゼロレイテンシーモニタリング が非常に有効な方法となります。36Bit DSP でのゼロレ イテンシーモニタリングは、ハードウェアミキサーに接 続してモニターしているとも言えるテクノロジーです。

以下の図は、36Bit DSP によるモニタリングを表してい ます。オーディオソースは、DELTA Audiophile 2496 のオー ディオ入力から PCI HOST カードの 36Bit DSP へ送られ、 36Bit DSP から DELTA Audiophile 2496 のオーディオ出力 へダイレクトに送られます。

・モニター

・オーディオ

36Bit DSP によるゼロレイテンシーモニタリング

以下の図は、オーディオアプリケーションに用意され たダイレクトモニタリング機能を表しています。アプリ ケーションからの指示により 36Bit DSP へ戻されている ため、若干のレイテンシーが含まれてしまいます。この レイテンシーは、タイミングがずれたままレコーディン グされることを意味しています。オーディオソースは、 DELTA Audiophile 2496 のオーディオ入力から PCI HOST カードの 36Bit DSP を経由してオーディオアプリケーショ ンへ送られ、オーディオアプリケーションから 36Bit DSP を経由して DELTA Audiophile 2496 のオーディオ出力へ送 られます。

・ソフトウェ

・モニター

アダイレクト

・オーディオ

モニタリング

 

 

 

遅れ

ソフトウェア処理によりレイテンシーを含んだモニタリング

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DELTA Audiophile 2496 User's Guide : Chapter 4