5.2 RPN/NRPN解説
レジスタードパラメータ番号(NRPN)は各機種固有のメッセージで、MIDIを利用してシンセサイザをコントロールすることができます。 MIDIの仕様でパラメータ番号を定義して、各メーカーが独自のコントローラを自由に利用できるように設計されています。パラメータ番号の中 で共通性が高いものは、米国MMA(MIDI Manufacturer’s Association)で登録されていて、標準的なMIDI規格の一部となっています(こ のため、レジスタードパラメータ番号(RPN)と呼ばれています)。詳細は「付録F」を参照して下さい。各NRPN/RPNには関連する2バイトの 数値で構成されています。2バイトにはそれぞれ127までのバリューが使用できます。(RPNまたはNRPNメッセージは2つの部分で構成されま す。1つはMSB(Most Significant Byte)で、もう1つはLSB(Least Significant Byte)です。この両者を合わせてRPNまたはNRPNのコマンド を構成します。)合計で16,129のバリューが可能です。
MIDI CCの98と99は、それぞれNRPNのLSBとMSBを表しています。また、100と101は、それぞれRPNのLSBとMSBを表しています(付録 DのMIDIコントロールリストを参照して下さい)。NRPN/RPNを送信する場合は、ユーザーが設定した値と一緒にこれらのコントロールメッ セージを送信します。また、コース/ファインセッティングを指定する場合は、そのコントロール番号と設定値を送信する必要があります。コース セッティング(きめの粗い設定)を選択する場合はコントロール番号6(Data Entry)を、ファインセッティング(きめの細かい設定)を選択する 場合はコントロール番号38(Data Entry LSB)を指定します。
NRPN対応の機器は、マニュアルにNRPNのデータシートが付属しています。シンセサイザNRPN MSBとLSBメッセージは必ず同時に送信さ れる必要があります。MSBとLSBのバリューは、通常NRPN対応機器のデータシートに掲載されていますが、マニュアルによっては16進法の表 記しかないものもあります。付録Hの換算表を参照して10進法の数値に変換して下さい。
Axiomでは、NRPNの送信を簡単に行うことができます。セクション3.8.3を参照して下さい。
5.3SysEx(システムエクスクルーシブ)解説
システムエクスクルーシブ(SysEx)メッセージはMIDIの仕様で定義されています。SysExを使用すると、MIDIによって各機器を個別にコント ロールすることができます。また、SysExメッセージを受信する機器が適切にメッセージを翻訳(理解)し、メッセージに従って動作する場合 は、SysExメッセージのフォーマットを利用して、どのような機能も仮想的に実行することができます。例えば、各機器からオーディオサンプル のメモリデータやメモリダンプ、コントローラのセッティングなどを送信することができます。また、ある機器のコントローラを他の機器からコン トロールすることも可能になります。
独自で指定したSysExメッセージをAxiomにプログラムすることはできませんが、Axiomにはプログラム済みのSysExメッセージが用意されて いて、コントローラにMIDI CCを割当てることによって使用することができるようになります(付録DからGを参照して下さい)。
SysExメッセージは、特定のチャネルには送信されません。すべてのSysExメッセージにはデバイスIDが含まれていて、SysExメッセージを受信 する機器を特定するのに使用されています。デバイスIDによって特定された機器以外は、すべて無視されます。AxiomでSysExメッセージを使 用する場合は、グローバルチャネルは無視されます。Chan Assignキーを押す時、デバイスIDを入力します。このとき、LCDディスプレイには 3桁の数字が表示され、2桁で先頭にcのシンボルのある数字は表示されません。
デバイスIDは00~127の範囲で設定します。Axiomでは、127がデフォルトに設定されています。127に設定されている場合はSysExメッセージ が全ての機器に対して送信されます。
ユーザー独自のSysExメッセージでAxiomのコントローラをプログラムすることはできませんが、MIDI入力信号を受信して、ユーザーが指定し た別のメッセージを送信するDAWを使用することができます。MIDI OXのような「翻訳」ソフトウェアを使用して独自のSysExメッセージを プログラムすれば、Axiomからの入力信号を翻訳して、使用するコントローラに対するSysExメッセージを送出することができます。
最後に...
Axiomの機能について何か問題があれば、まず次章の「トラブルシューティング」をお読み下さい。よくある質問と回答が書かれています。それ
32