11
2 技術解説 リラクゼーション(緩和)特性
ここまで強誘電体キャパシタのヒステリシス特性は, 時間依存を無視して , 滑らかで連続する曲線
として描いてきましたが, 実際は図 2.6 に示すような曲線が観測されます。すなわち, Vf = 0 V の残留
分極点から, 時間依存で A’ A, または D' D のように分極量の落ち込みが観測されます。これは ,
リテンション特性が長時間レンジでのQの劣化であるのに対して , 短時間でのQの減少としてみるこ
とができます。このことは, ヒステリシス特性は , D' C D' または A' F A' の軌跡を描かず,
時間に依存してDCD' Dまたは AFA' Aのように描くことを示しています。
2.6 ヒステリシス曲線
A ("1")
+Pr
C
F
A'
Pr
+Vcc
Vcc Vf [V]
D ("0")
+vc
vc
D'
Q [ µC /cm 2]
D
EB