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第2 章 技術解説 ■リラクゼーション(緩和)特性ここまで強誘電体キャパシタのヒステリシス特性は, 時間依存を無視して , 滑らかで連続する曲線
として描いてきましたが, 実際は図 2.6 に示すような曲線が観測されます。すなわち, Vf = 0 V の残留
分極点から, 時間依存で A’ →A, または D' →D のように分極量の落ち込みが観測されます。これは ,
リテンション特性が長時間レンジでのQの劣化であるのに対して , 短時間でのQの減少としてみるこ
とができます。このことは, ヒステリシス特性は , D' → C → D' または A' → F → A' の軌跡を描かず,
時間に依存してD→C→D' →Dまたは A→F→A' →Aのように描くことを示しています。
図2.6 ヒステリシス曲線
A ("1")
+Pr
C
F
A'
−Pr
+Vcc
−Vcc Vf [V]
D ("0")
+vc
−vc
D'
Q [ µC /cm 2]
D
EB