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第3 章 富士通のFRAM 製品の紹介
3.2 FRAM 内蔵セキュアプロセッサインターネットの急激な普及に伴い , e コマースやバーチャルショップ , バーチャルオフィスなど
が注目を集めていますが , これらの実用化に際しては , 公開鍵暗号を用いたセキュリティシステムが
必須となっています。
FRAM内蔵セキュアプロセッサは , 当社 8ビットマイクロコントローラとともに , 公開鍵暗号の一
つである楕円曲線暗号コプロセッサとFRAM とをワンチップ化したものです。コプロセッサにより ,
ソフト処理に比べて 1000 倍以上の高速処理が可能です。また , FRAM の採用により , セキュリティ
チップに不可欠なセキュリティ関連情報の書換えが , 従来の EEPROM などに比べて高速・低消費電
力で可能であり, 書換え可能回数も飛躍的に多くなります。
FRAM内蔵セキュアプロセッサでは , 秘密情報をチップから外部に出すことなく , 暗号 /署名処理
を可能としています。したがって , モバイル端末やデジタル家電 , スマートカードでのセキュアシス
テムの実現に大きく貢献すると予想されます。
なお, 公開鍵暗号方式については , 「第 5章 セキュリティ技術」を参照してください。
図3.1 セキュリティLSI(モバイル端末用途)
8 Bit CPU + FRAM 4 KByte + 暗号コプロセッサ
動作周波数 3.58 MHz
最小命令実行時間 0.28 µs
楕円曲線暗号に対応
・Key長 239 bit (max)
・署名処理関数, 暗号処理関数 , 鍵交換関数をファームウェア化
8 bit CPU
4 KByte FRAM
32 KByte Mask ROM
1 KByte SRAM