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第3 章 富士通のFRAM 製品の紹介
3.3 FRAM 内蔵スマートカード用 LSI現在のIC カード(スマートカード)のデータ保存用メモリには , 主に EEPROM が使用されていま
すが , EEPROMに比べて書込み速度約 1万倍 , 書込み消費電力約 1/400, 書換え回数 10 万倍という優
れた特長を持つFRAM を採用したスマートカード用 LSI を実現しました。
多目的スマートカード用LSI チップは , 0.35 ミクロン FRAM 技術を採用することで, 32 ビット RISC
プロセッサと32 キロバイト FRAM, 接触・非接触通信インタフェース, 暗号用コプロセッサを 1チッ
プに搭載しました。
32ビット RISC プロセッサを搭載したことで , マルチアプリケーション管理が行える OS を搭載で
きます。32 キロバイトの FRAM を搭載したことにより , 複数のアプリケーションの高速かつ低消費
電力での実行と, データ保存が可能です。通信インタフェースとして , ISO/IEC 規格準拠の接触 (ISO/
IEC 7816 class A)・非接触(ISO/IEC 14443 Type-B) を搭載しました。1チップで接触・非接触両対応
のコンビネーション・カードを実現できます。さらに, 認証機能のための暗号回路として楕円曲線暗
号 (ECC), DES, RSAなどを搭載することにより , 高いセキュリティレベルを実現し , インターネット
などを通じた電子商取引に要求される情報の暗号化や公開鍵による個人認証に対しても安全なシス
テムを実現できます。
多目的スマートカード用LSI は, FRAM の特長である高速・ 低消費電力・ 高頻度書換え回数を活か
し, スマートカードに必須とされる機能を1チップに集積することで , ブロードバンド・インターネッ
ト時代のニーズに応えるものといえます。
マルチアプリケーションまでは必要ないというケースについては , 8 ビットマイコンを搭載したス
マートカード用LSI もございます。
4キロバイトの FRAMを搭載しており , FRAM の高速・ 低消費電力・ 高頻度書換え回数という特長
は同様に活かされるものとなります。