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7 FRAM グリーン化の取組み

7.3 FRAM の鉛フリー化の取組み
FRAMのグリーン化は , 前項の指定有害物質規制のルールに従って , 購入部材 , 製造時に使用する
部材, 含有物質の廃止を進めています。本項では特に指定有害物質の一つである鉛に関する当社の取
組みを紹介します。
鉛は電子部品の接合材料として , 鉛はんだ(例えば Sn63%-Pb37% のいわゆる共晶はんだ)という
形で多くの部材に使われてきました。パッケージのリードなどにはんだメッキが代表的な用途です。
さらに FRAM 固有の特徴として , 強誘電体キャパシタを構成する材料(チタン酸ジルコン酸鉛:
PbZrTiO3PZTと略記))の中に鉛が含まれています。
その他の指定有害物質は, FRAM では初めから使われていないか , あるいは遅くとも 2005 年度末ま
でに使用を取りやめる予定です。
次に, これらのグリーン化の取組みについてご紹介します。
なお , 鉛の健康影響に関しては , 米国の EPA(米国環境保護庁)や ATSDR(米国有害物質疾病登
録局)の報告書などに詳しい記載があります(参考文献 : *4, *5

鉛フリーパッケージ

パッケージには回路基板との接合方式が, リードタイプのものとボールタイプのものがあります。
7.1にリードタイプの一例(SOP パッケージ)を示します。これまでリード部分のはんだメッキ
には , 鉛はんだ Sn90%-Pb10% が使われていました。この部材の鉛フリー化は既に完了していますの
, お客様の要望があれば鉛フリーはんだをメッキしたパッケージをご提供できます。なお , 当社標
準の鉛フリーはんだ組成はSn98%-Bi2% を用いています。
7.2にボールタイプの一例(FBGA パッケージ)を示します。これまでのはんだボールの組成は
Sn63%-Pb37%が使われていました。この部材についても鉛フリー化が完了しており, お客様のご要望
があれば鉛フリーはんだボールを用いたパッケージをご提供できます。なお, 当社標準のボールの組
成はSn96.5%-Ag3%-Cu0.5% を用いています。
標準の鉛フリーはんだは, 当社がウィスカ , 濡れ性 , 接合強度 , コストを総合評価し , 最良として推

奨するものです。さらに, 接合部のリード引張り強度, 温度サイクル , 落下試験 , 振 動 試 験 な ど を 行

, 従来はんだと同等の性能を検証しています。二次実装性についても , 従来はんだや鉛フリーはん
だを用いても問題ないことを確認しています。
代表的な表面実装型パッケージのラインナップは, 当社の電子デバイス技術解説ウェブページ(参
考文献 : *6)に示しています。
なお, FRAM 実装時の IR リフローなどの耐熱性保証温度は , 最高温度を 250 ℃と規定��ています。
実装時にご配慮をお願いいたします。
7.1 SOPパッケージの模式図
42 LSI
0.65mm