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第7 章 FRAM グリーン化の取組み
図7.4 PZT結晶の模式図
7.4 今後の取組み
これまでに述べたように, 富士通グループでは , グループ全体の活動として指定の有害物質の使用
と含有を禁止しています。パッケージに関しては, リードフレームやはんだボールに使用するはんだ
の鉛フリー化を完了しています。
強誘電体キャパシタに関しては, 電子セラミック部品として RoHS 指令での規制除外となっていま
す。またFRAM に含まれる鉛の濃度は , 土壌に含まれる自然レベルの濃度とほぼ等しい値で , 食品に
含まれる鉛濃度と同レベルです。
しかし, 今後 FRAM の普及が進むにつれ , FRAM デバイスの需要が増えると予想されます。FRAM
デバイスの廃棄にともなって , 長期的に継続して鉛が拡散することは , 環境負荷を増やすことにつな
がり好ましくありません。当社では環境負荷を低減するために , 鉛フリーの強誘電体材料を用いて
FRAMを製品化する計画があり , そのための研究・開発に取り組んでいます。
新しい強誘電体材料の選定にあたっては, 統合化 LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を適
用することを検討しています(参考文献 : *11)。人間の健康, 生態系への影響 , 資源の枯渇による社
会資産への影響などの環境影響を総合的に評価することによって, 真に環境負荷の小さな製品を開発
し, FRAMのグリーン化を進めていきます。
: Pb : O