Chapter 2:

CPU ベースレコーディ ングシステムの基本

ハードディスクレコーディングとは?

テープ・レコーダーでのレコーディングでは、磁気テー プを巻き取りながらシグナルをリニア(直線状)に記録 します。このため、任意の部分を再生するには、テープ の巻き戻しや早送りが必要になってきます。これに対し てハードディスク・レコーディングでは、ノン・リニア(ラ ンダムアクセス)が可能です。また、ループ再生も可能 になっていますので、ノン・ディストラクティブエディッ ト(非破壊)と呼ばれる編集方法が可能になります。

CPU ベースのレコーディングシステムでは、編集用途以 外にもエフェクトプラグインやソフトウェアシンセサイ ザー等を組み合わせて楽曲を構成するのが一般的になっ ています。この優れたテクノロジーを利用する上で、コ ンピュータに高品位な状態でサウンドを取り込む / コン ピュータのサウンドを高品位にモニターするなどサウン ドの入出力がキーポイントになります。

オーディオシステムの必要性

コンピュータ購入時に装備されているオーディオカード は、入出力が少なく音質も悪いためにコンピュータでの 高品位なレコーディング環境を構築するのは非現実的と 言えます。DELTA 1010 では、ハイエンドオーディオ機器 に採用されている AKM 社の A/D/A コンバーターを標準装 備しコンピュータの PCI スロットと接続することで外部 機器(ハードウェアミキサー・音源モジュール等)とコ ンピュータを 24Bit 96kHz までの高音質でコミュニケー トを行うことを可能としているため、業務用途のクオリ ティーにも対応することができるのです。

外部機器からのサウンドデータはコンピュータへインス トールされたオーディオアプリケーションへ送られます

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が、使用できるオーディオチャンネルの数は、オーディ オアプリケーションやコンピュータの環境によって異な ります。これらの要因はすべて、システム内で転送され るデータの量に関係しています。レコーディングを行う と、データはオーディオハードウェアによって集められ、 コンピュータのプロセッサ(CPU)を通じてハードディ スクへと転送されます。プレイバックの場合は、これと 逆の過程が行われます。

オペレーティングシステムのバージョン

最新バージョンのオペレーティングシステムをご利用に なる場合には、株式会社エムオーディオジャパンの Web サイトにて対応状況をご確認下さい。

http://www.m-audio.co.jp

安定したレコーディングシステムを構築するには、オペ レーティングシステムにできるだけ不必要なアプリケー ションはインストールしないで下さい。

プロセッサの種類とクロック周波数

プロセッサの処理速度は、オーディオアプリケーション の使用可能なチャンネル数やエフェクト、EQ の量に直 接影響しますので、できるだけ高速なプロセッサをご利 用下さい。

Macintosh では 233MHz PPC 750 以降の Power MacintoshWindows では Pentium MMX 200MHz 以上または AMD プ ロセッサが必要です。

プロセッサキャッシュ

256kB 以上の 2 次キャッシュが必要です。これは多くの

DELTA 1010 User's Guide : Chapter 2

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