Chapter 4:
36Bit DSP の仕様
はじめに
PCI カードには、36Bit Digital Signal Processor(DSP)が 搭載されています。DELTA 1010 は、CPU ベースに最適 化されたレコーディングシステムですが、CPU ベースで のオペレーションでは当然 CPU パワーに依存するため に、プロセッサによっては処理が間に合わない現象に直 面することが多々あります。本来 CPU に処理を任せる部 分を DSP によって処理をするため、CPU への負荷の軽 減や CPU ベースでは得られないレスポンスとレコーディ ングにおいて柔軟な環境を得ることが可能になります。
が非常に有効な方法となります。36Bit DSP でのゼロレ イテンシーモニタリングは、ハードウェアミキサーに接
続してモニターしているとも言えるテクノロジーです。 4
以下の図は、36Bit DSP によるモニタリングを表していま す。オーディオソースは、DELTA 1010 のオーディオ入力 から PCI HOST カードの 36Bit DSP へ送られ、36Bit DSP から DELTA 1010 のオーディオ出力へダイレクトに送ら れます。
→・モニター
← ・オーディオ
36Bit DSP によるゼロレイテンシーモニタリング
36Bit DSP の概念
36Bit DSP は、ハードウェアミキサーに匹敵する “ゼロ レイテンシーモニタリング”・“リアルタイムミキシン グ” と、高度な柔軟性を備えた “デジタルパッチベイ”・ “内部パッチ” 機能を 36Bit DSP の処理で行います。36Bit DSP を把握することで DELTA 1010 に装備された機能全 てを効率良く的確に使用できます。
ゼロレイテンシーモニタリング
一般的なアプリケーションには、レコーディングする ソースをダイレクトに DELTA 1010 のようなオーディオ システムへ返して小さいレイテンシーでモニターするこ とを可能にする “ダイレクトモニタリング機能” が用意 されていますが、これらの処理はソフトウェアによって 処理されるために、若干のレイテンシーを含んでいます。 レイテンシーを含んだソースをモニターしながら演奏 を行うと、微妙なタイミングのずれが生じたままレコー ディングしてしまいます。
レイテンシーを含んだモニタリングの問題を回避するた めには、36Bit DSP でのゼロレイテンシーモニタリング
以下の図は、オーディオアプリケーションに用意され たダイレクトモニタリング機能を表しています。アプリ ケーションからの指示により 36Bit DSP へ戻されている ため、若干のレイテンシーが含まれてしまいます。この レイテンシーは、タイミングがずれたままレコーディン グされることを意味しています。オーディオソースは、 DELTA 1010 のオーディオ入力から PCI HOST カードの 36Bit DSP を経由してオーディオアプリケーションへ送 られ、オーディオアプリケーションから 36Bit DSP を経 由して DELTA 1010 のオーディオ出力へ送られます。
・ソフトウェ | → | → | ・モニター | |
アダイレクト | ||||
← | ← | ・オーディオ | ||
モニタリング | ||||
|
|
|
↑遅れ↑
ソフトウェア処理によりレイテンシーを含んだモニタリング
DELTA 1010 User's Guide : Chapter 4 | 21 |