第 5 章 システム・リソースの管理
メモリ使用の概要
Sybase IQ では、次のような目的でメモリを使用します。
•クエリの解析用にディスクから読み込むデータのバッファ
•フラット・ファイルからロードするときにディスクから読み込むデータの ためのバッファ
•接続、トランザクション、バッファ、データベース・オブジェクトを管理 するためのオーバヘッド
以降の各項では、オペレーティング・システムが Sybase IQ のメモリ使用をサ ポートする方法、さまざまな目的のために Sybase IQ でメモリを割り付ける方 法、パフォーマンスを改善するためにユーザがメモリ割り付けを調整する方 法、また Sybase IQ に十分なメモリが使用できるようにオペレーティング・シ ステムを設定する手順について説明します。
ページングによる使用可能メモリの増加
システムのメモリが不足している場合、パフォーマンスが大幅に低下すること があります。このような場合、使用可能なメモリを増やす必要があります。 RDBMS ソフトウェアのように、Sybase IQ にも多くのメモリが必要です。 Sybase IQ に割り付け可能なメモリが多ければ多いほど、パフォーマンスも向 上します。
ただし、システム内のメモリ量には常に一定の制限があるため、データの一部 のみがメモリに格納され、残りのデータはディスク上に格納されるという状況 が発生します。オペレーティング・システムが、ディスク上のデータを検索し て取り出し、メモリ要求に対応する必要がある場合、これをページングまたは スワッピングと呼びます。メモリを適切に管理することの主な目的は、ページ ングやスワッピングを回避したり、最小限に抑えたりすることです。
最も頻繁に使用されるオペレーティング・システム・ファイルは、スワップ・ ファイルです。メモリが消耗している場合、オペレーティング・システムがメモ リのページをディスクにスワップして、新しいデータの領域を確保します。ス ワップされたページを再び呼び出すと、他のページがスワップされて、要求され たメモリ・ページが元に戻ります。ユーザのディスク使用率が高い場合、スワッ ピングには時間がかかります。通常は、スワッピングが起こらないようなメモリ 編成にして、オペレーティング・システム・ファイルの使用を最小限に抑えてく ださい。スワッピングを最小限に抑えるためのメモリの設定方法については、「プ ラットフォーム固有のメモリ・オプション」(119 ページ ) を参照してください。
Sybase IQ では、物理メモリを最大限利用するために、データベースに対する すべての読み込みと書き込みにバッファ・キャッシュを使用します。
注意 ディスク上のスワップ領域には、少なくとも物理メモリ全体を収容でき るだけのサイズを確保します。
パフォーマンス&チューニング・ガイド | 105 |